多くの失語症の方は伝えたい内容を言語(声)で100%伝えようと努力されます。
しかし、上手くことばが出てこなくて途中で伝えるのを諦めてしまう方も多いです。
失語症の方にとって一番大切なことは
『相手にしっかりと伝えることが出来る』
私はこれだと思います。
ことばで100%伝えようとすることはもちろん非常に大切です。
しかし、ことばが出てこず伝わらなければ元も子もありません。
上記の内容でもすこしお伝えさせて頂きましたが、100%の言いたい単語等が出なくても伝える手段はいくつもあります。
手段としてはいくつか例を挙げさせて頂きます。
①迂言を促す
②書字・描画を促す
③スマートフォン等の代替手段を利用する
①迂言(遠回しな表現)
軽度失語症の方にとっては非常に重要なコミュニケーション能力の1つになります。軽度失語症の方の特徴として喚語困難(えーと・・あの・・)という症状があります。
例えば、犬と言いたいのに『えーっと・・あの・・えー・』と喚語困難が出現してしまうと相手に内容は伝わりません。
そこで迂言を促します。
『鳴き声は?』『色は?』『大きさは?』等聞き手が推測可能な質問をすることで『色は茶色・・鳴き声はワンワン』と引き出すことが出来れば目的語が『犬』ということが伝わります。
②書字・描画・ジェスチャーを促す
失語症の方ではことばでは言えないけど、書くことで伝えることが出来る方もいらっしゃいます。
もちろん『犬』という字を書いてもらう以外にも大まかな描画や『い(イ)』と語頭音を書くことや『わん』と鳴くジェスチャー等をすることで推察することが出来ることもあります。
③スマートフォンの利用
いまはスマートフォンを持っている方がほとんどかと思います。いまスマートフォンにもコミュニケーションの代替手段となるアプリが多数開発されているので上手くアプリを使用することも大切です。
また予測変換機能を上手く活用することで、LINEがコミュニケーションツールとなることもあります。
上記のように発話に限らずコミュニケーション手段として様々な手段があります。
重度の方にはコミュニケーションノートを作成することもあります。
失語症は障害部位や範囲により重症度は異なり、教科書通りの人はなかなかいません。
我々、言語聴覚士が評価しその方の残存能力をいち早く見つけ出し、有効的なコミュニケーション手段を周囲のセラピストやご家族に情報提供することが言語聴覚士の仕事です。
聞き手の工夫で上手くご本人の言いたいこと等を引き出すことが出来ることもあります。
もちろん重症度や失語症のタイプ、人によっても対応方法は全然異なるので、是非ご相談ください。
言語リハビリあさかわでは完全個別性の保険外(自費)リハビリを実施しております。
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